北海道のじゃがいもはうまい。私の頭の中では、じゃがいもイコール北海
道産という図式が出来上がっている。それくらいうまい。煮ても焼いてもほ
くほくうまい。ほくほくしているくせに、煮崩れせずしっかりと自身の味と
形を保っている。

　余所と何が違うのだろう。とりあえず季節が違う。九州なんて、四月の末
にはもう新じゃがが出てくるのに、北海道のじゃがいもは十月くらいである。
九州で四月に芋が実るということは、じゃがいも自体、涼しい気候を好むの
ではないだろうか。だから南のじゃがいもは大味に、北のじゃがいもは身が
詰まってうまいのではないだろうか。

　北の澄んだ空気と大らかな日の光を吸って育ったじゃがいもはひと味違う。
一度取り寄せて食べ比べてみればいい。単純な調理法ほど味の違いが際だつ。
茹でじゃがいもとか、焼きじゃがいもとか。きっと味の違いに気付くだろう。

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